依存症とコントロール障害の関係

アルコールやたばこ、薬物、ギャンブルを代表例として、様々な物や行動に対して起こり得るのが依存症だ。依存症は脳の状態が変化し、特定の対象への快感物質が過剰に分泌されることに起因する、進行性の病気と言える。
本来、人はストレスや不安を緩和するため、脳をリラックスさせる特定行為を行う。その行為を行うことにより、快感物質を適度に分泌させて精神的、身体的なストレスレベルを正常に戻すのだ。
しかし、依存症に見られる過度な執着はコントロール障害と呼ばれ、本来正常レベルへ戻すはずの行為が、本人の生活や健康を害してしまう。脳が快感物質を求めすぎるあまり、生活に必要な食事や仕事、睡眠などを疎かにしてでも特定行為を優先してしまうからだ。
これは決して精神力が弱い、意思が弱い人に起こる病気ではなく、環境や状況によっては誰もが陥る可能性がある。
特定行為に没頭していても、本人に依存症という自覚がないため、周りが注意して観察していない場合、発見が遅れるケースも珍しくない。すでに本人の心身の健康や生活を壊し、周囲への悪影響を引き起こしている場合が多いのだ。
コントロール障害の治療は可能であり、完治というよりコントロールできる状態を維持することが目標となる。困難な点は、本人の力だけで回復することが難しく、周りのサポートを要する点だ。
依存症の人に対しては、まずは本人の状況を理解し、不安や緊張を和らげ、共に闘病することが必須だ。専門医との密接な連携を築き、状況に応じた対処を行うことで回復が期待できる。